CATEGORY:ハンドガン
2023年07月13日
リバティチーフ#5
ミロク リバティチーフMODEL Ⅵ。
https://www.miroku-mfg.co.jp/
https://www.miroku-mfg.co.jp/company/history.html
1962年から68年の間、
北米向けに輸出された国産拳銃。
メインスプリングの相違によって、
大まかに前期後期があるらしい。
モデルガン化された個体はメインスプリングが板バネの前期型。
60年代、アメリカでの実売価格は約80ドル(当時のレートでは約16000円)。
その割安感から、
そこそこの数が売れたようだ。
アクションのモデルガンは前期型モデルⅥのアウトラインを
上手く再現してあるように思う。
気になった点としてはフレーム右側に打刻された
「MIROKU FIREARMS MFG CO.」の文字が
全体的に横に狭い事。
ネットで画像を漁ると、
シリアルが四桁の実銃はもとより、
アクションの再現した個体11154に近い8000代の個体、
いずれも横広の刻印だったので、
急にここの刻印の大きさだけが変更される事はないはずだ。
一方、同アクションリバティのフレームの後方に、
丸いバリ?押し出しピンの跡?のような
丸い何かの痕跡がある。
これは恐らく、ハンマー支持ピンの表現だろう。
つまり「わざわざ」ディテールとして作り込んだ部位だと思う。
実銃の写真を良く見てみると、
アクションの丸跡と同じ場所に、
ハンマーを支持するピンが
フレームに圧入/溶接された痕跡があるのが分かる。
つまり此れを再現してあるわけだ。
なかなかニクい演出だと思う。
ついでに言えばシリンダーストップの支持ピン跡らしき痕跡も
(分かりにくいが)再現されている。
他に気になる…というか、
ここは?という部位に真っ先に挙げられるのが
ハンマーの形状だ。
実銃はハンマースパー下部の切込みが強く、
切れ込みの浅いアクション型のハンマーを
装備した実銃の画像を見つける事は出来なかった。
アクション社のリバティは実銃の「特定個体再現」だと云う。
で、あるならば
「よく分からないが(純正で)そういうのも時期によって存在した」と、
一言で片付けるのは早計だ。
さて。
ここからは更に推測、未確認が入り混じるカオスの領域だ。
ご注意あれ。
ここに匿名の方による情報がある。
(本人に許可を頂いたので掲載する)
それはこの切れ込みの浅いハンマーは「ブルー仕上げ」だったという。
通常、リバティチーフのハンマーとトリガーは油焼き(ケースハード)仕上げだ。
では何故、この切れ込みの浅いハンマーだけがブルー仕上げだったのだろう?
結論から言えばこのハンマーの正体は、
オレゴン州のカスタムパーツメーカーのものらしいのだ。
つまり平たく言えば社外品である。
真偽は確認しようも無いのだが、
どうやらリバティチーフモデルⅥはアメリカの警察に少数納入された
という経緯があるらしいのだ。
ただし68年以降、予備パーツの供給が不安定で、
その結果社外パーツが作られたという事だ。
それが事実であれば、ハンマーの形状が僅かに違うのは
質量を増加させる事で、打撃力を向上させる目的があったのかも知れない。
仕上げも単純なブルーイングなのも納得だ。
とはいえ俄(にわか)には信じ難い話だが、
そこは「与太話」という事で諸兄には御納得頂きたい。
ところでリバティのシリンダーラッチには
謎のグルーブが刻まれている。
当たり前だが恐らく誰しもがこのグルーブを
シリンダーをスイングアウトさせる際の
「親指の滑り止めのミゾ」と考えるはずだ。
しかしこの位置に滑り止めが刻んであるのは
全く理不尽であり、実際何の役にも立っていない。
では一体何の目的で刻まれたグルーブなのか?
これは僕の憶測だが、
ひょっとしてシリンダーラッチの後部を
「サムレスト」に利用するのが目的ではないかと思う。
もしくは射撃時の作用反作用で、不意にラッチが解除される
のを防ぐ為に親指で押さえる?
いずれにしても「親指」をレストさせる為の滑り止めだと思う。
実際リバティを握って親指を添えると案外具合がよい。
………ただし決して鵜呑みには為さらないように。
そう考えたら面白い、というだけのお話である。
処で僕の手持ちのリバティモデルガンはキットモデルなので
未仕上げ状態だ。
実銃は「MIROKU BLUE」と名付けられたガンブルー仕上げだが、
何故かどの個体もフレームとサイドプレートの色合いが異なる。
其の内そんなところまで再現出来ると素敵だが、
流石に僕の下手くそな腕では手に余りそうだ。
長くなったので本日はここまで。
まだまだ続くよ!
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。